ef - a tale of memories. 感想

今更ながらefを見る。
理由は夏のあらし同様、大沼心と高山カツヒコがタッグを組んだ作品だったからだ。
当時は、エロゲ原作と言うことで華麗にスルーしてしまった。
正直、見ていなかった事をこれほどまでに後悔した作品は今までにない。
エルフェンリートでさえ、放送から遅れて見たがA評価止まりだった。
しかし、この作品は迷いなくSを付けることができた。
3組の男女の恋愛をオムニバス形式で描く作品として、
efに比べれば初恋限定がB評価止まりなのも仕方ないと思わされた。



これで、エロゲ原作でSを付けた作品はAIRに次ぐ2作品目となる。
正直、AIRはefに比べればA評価止まりであろう作品だが、
当時の思い出補正があるのでやはりS評価だ。
同じ京アニ×key作品にCLANNADというアニメがある。
この作品は最終話で現実をリセットしてしまったためC評価だ(2期のみではD)。
AIRの往人もリセットして再び観鈴と時を過ごすが、記憶を失いカラスになっている。
これにより未来は変わらないが、神奈の痛みを和らげる結果になる。
しかし、結局観鈴の命は正体不明の奇病(呪い)により失われてしまう。
最終的な結果は変わらないが、晴子との母子の絆を見つける時間を与えた。
一方、CLANNADでは全年齢と言うことでゲーム的要素を入れようとしたのか、
街の光の玉を集めると最初に戻って幸せな暮らしができてしまう。
しかし、それは視聴者を納得させる終わり方ではない。
ハッピーエンドは魔法や奇跡によってもたらされてはいけない。


FF13のエンディングでは、パルスのファルシオーディンのルシのライトニングは、
生まれ故郷のコクーン(天空都市)を守りたいと考え、
仲間と共にコクーンの核であるファルシのオーファンの元へ向かう。
しかし、(脚本上の)手違いでオーファンを殺してしまい、
自らの手でコクーン崩壊への引き金を引いてしまうことになる。
しかし、奇跡が起こり、ヴァニラとファング以外の全ての登場人物が理想のENDを迎える。
CLANNADの奇跡はこれに近いものがある。
嫌なことに目を背け、「自分の理想の現実」に現実を変換してしまうのだ。
それがAIRに高評価を付け、CLANNADに低評価を付けた理由だった。

話を戻すが、このefという作品においてはそういった奇跡が見受けられない。
3人の男主人公達は、奇跡に頼らず、現実から目を背けず、苦痛に立ち向かっていく。
シナリオだけでなく飽きさせない演出、巧みな場面の切り替え、
ENDへの繋ぎとアバンの始まりなど、どれを取っても文句のない名作だった。

efの感想のつもりがやたら別の作品について語ってしまったので、
また別の機会にゆっくりefの詳細な感想を書きたいと思う。